2012.11.18 第30回東京新島講座を開催しました
11月18日(日)に、第30回目となる東京新島講座を秋葉原UDXにおいて開催した。今回は、同志社の教育研究を広く一般にご紹介したいという願いを込め、初めての試みとして、大学の「キャンパスフェスタin東京」と同時開催(共催)とした。当日は、露口卓也大学文学部教授と米井嘉一大学生命医科学部教授の講演で、延べ約350名の方にご参加をいただいた。 冒頭、大谷総長が東京新島講座を開催する趣旨について説明すると共に、学校法人同志社への平素の支援及び協力に対するお礼を述べた。 講演第1部では、露口教授が「新島八重の印象―その精神力について」の演題で講演された。まず、福本武久氏がその著書に記載されている八重の4つの顔を紹介された。会津若松時代の「さむらいレディー」、新島襄と過ごした「洋装・洋髪のモダンレディー」、社会活動につくした「日清・日露のナイチンゲール」、そして茶人として過ごした晩年の「女流茶道家」である。それぞれ4つの顔の段階にあわせ、写真をもとに八重の生涯について説明された。次に、徳川慶喜「昔夢会筆記」より京の守護職が出来た経緯、そして、会津戦争に至った経緯を丁寧に説明され、続いて、八重の回顧談を読み、最後籠城戦で敗れた時の八重の感情や思いについて解説された。最後に、八重が明治4年兄である覚馬を頼って上洛した経緯から、覚馬についてその人となりを説明された後、襄との関係に触れ、襄にとっても八重は必要不可欠で大きな存在であったと述べられ、講演を終えられた。 講演第2部では、米井教授が「健康長寿をめざすアンチエイジング研究最前線」の演題で講演された。まず、実年齢と加齢度には個人差があることを説明され、抗加齢(アンチエイジング)医学とは、生活の質(Quality of Life ; QOL)の改善と健康長寿を目指す医学であることを紹介された。続いて、メラトニンやヒト成長ホルモンについて説明された後、抗加齢医学の診断方法であるアンチエイジングドックについて紹介された。アンチエイジングドックでは、一般の検査項目に加え骨年齢、筋年齢、血管年齢、神経年齢、ホルモン年齢を測定し、老化危険因子として酸化ストレス、糖化ストレス、心身ストレス、免疫ストレスについて調べることを説明され、続いて、個々人の弱点をみつけ、それを是正して調和をはかることが、健康長寿への道であると述べられた。次に糖化ストレス対策として、朝食を抜かない、よく噛む、ゆっくり食べる、食べる順番に注意する(野菜・海草→肉・魚・卵→ご飯・麺・パンの順)、果性化糖(果糖)を避ける、低GIの食品を選ぶというように具体的に注意を促した。最後に、「病は気から、老化も気から」であり、心身ストレスは老化の大敵であること、「Happy people live longer」であることも科学的に証明されていることを説かれ、講演を終えられた。 キャンパスフェスタin東京の交流交歓会では、総長・両講師が、参加者からの熱心な質問に応えていた。 今回は、第1部では2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」のヒロインである八重を対象とした内容であり、第2部では健康に関する最新のアンチエイジング研究の紹介が行われ、両講演とも、タイムリーな講演内容であった。そのため、興味深く聞き入る参加者の姿が多く見られ、熱気の感じる講座となった。 |