6月14日(金)17時から、函館市大町において、「新島襄海外渡航の地碑」碑前祭が大谷實総長、片岡格函館市副市長ほか学校関係者、校友、同窓、函館市民の方々など70名以上参加のもとに行われた。同志社の創立者新島襄は、日本の現状を憂い、世界に目を向け、また海外事情とキリスト教を学びたいという情熱に駆られ、1864年国禁を犯して21歳の若さで函館から脱国した。その際、新島がアメリカ商船ベルリン号に乗船するために小船に乗り込んだこの場所に、「新島襄海外渡航の地碑」が建立されたのは、1954年のことである。毎年行われるこの碑前祭は、同志社の原点とも言える碑前において、学校関係者、卒業生などが一堂に会し、新島先生の想いを改めて心に刻む機会となっている。
式典は厳かな雰囲気の中始まり、讃美歌を一同で斉唱し、続いて大谷総長から式辞があった。式辞の中で、大谷総長は、「当時の新島の胸中を振り返ってみると、日本の将来のために、敢えて国禁を犯して出国した新島の志が、鮮明に浮かび上がってくる。新島の波乱に富んだ生涯の原点は、ここ函館の地にあるといってもよい。その志を継承し、発展させ200年の大計に向けて渾身の努力を続けていく」と話し、続いてこの碑を60年近く守ってこられた函館市民の皆様に対する感謝の意を述べた。その後、片岡函館市副市長から「149年前の今日、函館滞在はわずか55日と短いものだったが、多くの友人たちの命がけの協力を得て、米国への出国を果たしたと聞いている。以降、函館市と同志社の交流は深く続けられており、函館キャンプなど大きな広がりを見せている。今後さらに函館市と同志社の連携を多方面に深めていきたい。」と挨拶がなされ、出席者一同でカレッジソングを斉唱し、最後に碑前に花束を捧げ、滞りなく終了した。
来年は、渡航150年の記念の年にあたる。150年前の新島の志を関係者一同で継承していきたい。 |