1月10日(火)、今出川校地良心館107教室において、「京都ぎらい」の著者である国際日本文化研究センター教授の井上章一氏を講師にお迎えし、「海を越えた日本」の演題で第21回同志社国際主義教育講演会を開催した。
講師は、冒頭、世界中で日本を研究されている方々がいて、その支援を行っているのが国際日本文化研究センターであり、その関係で海外に行くことが多く、その海外で得た知見を中心に講演される旨、紹介があった。
まず、ブラジルのリオデジャネイロで、kyotoやtoyamaという日本の都市名を名前にした害虫駆除会社があるという話をされ、ブラジルでは日系人が多く活躍をしていることから日本人は優秀だと思われているが、社交界ではほとんど活躍していないという観点から、華がなくて優秀という日本人のイメージをブラジル人は持っており、そのイメージから日本の都市名が使われているのではないかと話をされた。
続いて、海外でのショーの話、関西(空港)や近畿、関東の話、英語でみかんのことをsatsumaという話等、国内外で得られた様々な知見を披露され、聴衆の興味と笑いを誘っていた。
さらに、四角い豆腐の中にごはんが入ったいなりずしを海外で食べた例を挙げられ、和食がユネスコに認定され、ph濃度というような形で正しい日本食の作り方が紹介されているが、日本でもタラコスパゲティやビーフカレーを作ったように、海外での日本食についてももっと自由を認めてあげても良いのではないかと述べられた。
結びに、著書である「京都ぎらい」の観点から、リオデジャネイロやフィレンチェ等、鼻が高く京都と同様に嫌らしい都市は結構あり、機会があれば、今後世界中の嫌らしい都市を集めて比較検討してみたいと述べられ講演を終えられた。
当日は、一般市民、学生など約120名が参加し、講師の実体験に基づく海を越えた日本に関する笑いを交えた講演に熱心に聞き入り、質疑応答も活発に行われ、盛況のうちに講演会を終了した。 |