11月11日(土)に、第35回目となる東京新島講座を同志社大学東京サテライト・キャンパスにおいて開催した。当日は、内藤正典大学グローバル・スタディーズ研究科教授と小泉範子大学生命医科学部教授による講演で、延べ約115名の方々にご参加をいただいた。
冒頭、八田総長・理事長から挨拶があり、続けて講演第1部では、内藤教授が「イスラームから世界を読み解く」の演題で講演をされた。中東・イスラム世界の紛争状況の紹介から始まり、「イスラームとはどんな宗教か?」、「ムスリムとはどのような人であるか」として、ムスリム人口は現在約15億人であり、義理堅く、弱者を助けずにはいられない人々であるなどのお話があった。また、世界で唯一日本かつ同志社大学だけが、タリバンの公式代表団と政府側、そして反政府側が一同に会するアフガニスタン和平会議を開催でき、外国による干渉がなくなれば和平は実現するとの約束を得た際の裏話や、ハラール認証は必要でない理由など、マスコミが報じない内容についても触れられ講演は終了した。
講演第2部では、小泉教授が「同志社発の先端技術で眼科医療の未来を拓く」の演題で講演をされた。はじめに、再生医療の歴史、目の角膜の再生医療の説明をされた。続いて幹細胞、身体のさまざまな臓器になりうるES細胞、何にでもなれるiPS細胞の特徴についてのお話があり、小泉教授が、角膜移植でしか治療できない重症の角膜疾患に対して、近未来の治療をパッケージで開発するというコンセプトで取り組んでいる研究成果について、わかりやすく説明がなされた。 また、医者は患者をひとりづつしか対応できないが、基礎医学をベースに産学連携を進め、近い将来「同志社目薬」を開発することで、多くの患者を救うことを実現したいとのお話もあり、参加者から「完成時期は?」と期待を寄せる多くの質問がなされた。
気鋭の2名の教授による熱意ある、時折笑いも交えた講演に参加者は興味深く聞き入り、熱気溢れる講座となった。 |