1月23日(月)9時より、若王子山頂の同志社墓地にて、創立者永眠の日祈祷会が執り行われた。
前夜からの雨で、山頂への道は湿り、滑り易い状況ではあったものの、式前には雨も止み、山口拓中学校・高等学校宗教主任の司会により祈祷会が始まった。コロナへの対応が緩くなりつつあったものの、いまだ感染者数は少なくない状況であり、讃美歌及び頌栄は、佐川淳中学校・高等学校宗教副主任による事前収録済のパイプオルガンの演奏を聴きながら黙唱する形となった。
聖書朗読、祈祷の後、山崎敏昭中学校・高等学校長の「ルビコン川を渡ろうとする人へ」と題した奨励が行われた。まず、昨年10月、青森県風間浦村で行われた本井康博先生の講演「風間浦からの出発−ルビコン川を渡る新島襄」を引用し、函館を目前に嵐を避けてしばらく逗留した下風呂温泉で、二度と戻れない不退転の決意、ルビコン川を渡る決断をした新島を紹介し、その上で、昨年のアカデミー作品賞を受賞したアメリカ映画『コーダ あいのうた』の印象深い主人公の歩みや、30年前の学園祭に担任クラスが取り組んだ創作劇の思い出について語った。映画では、耳の聞こえない両親に育てられた少女が、一家4人で漁業を営むという両親の期待やろうあ者である家族の中で歌を目指すことに悩みながら音楽大学進学を決意する物語、クラス演劇もまた両親がない兄弟の中で弟妹を支える大黒柱の長女が悩みながら一家を離れてダンサーを目指す話である。
130年前も、そして30年前も、今も、志を持つが故に深く悩み、決断を迫られては苦しみ、その中でルビコン川を渡ろうと成長していく若者へのエールが込められた奨励であった。
その後、八田英二総長・理事長、植木朝子大学長及び小ア眞女子大学長による祈祷を通して励ましを与えられ、頌栄、黙祷により創立者永眠の日祈祷会を終えた。
寒さの中、約80名の参加者たちが集い、心を一つに、ともに祈りをささげることができた。新島先生の志を受け継ぐ者となる決意をあらたにした祈祷会であった。
(同志社中学校・高等学校)
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