基調講演では、『新島塾で学ぶということ』と題して、同志社大学での新島塾での取組みについて、同志社大学 谷村智輝副学長から報告がなされた。
新島塾は、良心教育を継承しながら文理の垣根を越え、「総合知」を備えた次の時代を担うリーダーを養成する正課外のプログラムである。
副学長からは、人物養成の指針や他大学のリーダー養成プログラムにない新島塾独自の特色といった概要説明に始まり、プログラムの紹介、新島塾の成果と課題について報告がなされた。
「読書」を根幹に据えるという新島塾のコンセプト紹介に続き、新島塾の活動について概要説明がなされた。新島塾では「リーダーに学ぶ徳力の涵養」、「読書から始まる知の探究」、「合宿で鍛える知的基礎体力」の3つのプログラムを実施しており、塾生たちは、書を読み、議論を重ねることに加え、学部・学年の壁を越えた共修によって幅広い知識と教養の素養を身に付けることを目指している。
プログラム紹介では、副学長とともに新島塾第3期塾生で修了生の織田さん(文学部)も登壇し、織田さんとの対話形式で進められた。織田さんには、塾生あるいは当事者としての立場から「新島塾になぜ参加しようと思ったのか」「新島塾を修了した現在、新島塾での学びはどのように役立っているのか」「新島塾で学ぶ後輩たちにどんなアドバイスを送りたいか」など、リアルな体験談やメッセージを随所に交えて話してもらった。当事者が参加し、自身の言葉で語ったことで各学校からの参加者の関心も高まり、よりライブ感に溢れる講演となった。
修了者の最終レポートや就職実績等の進路状況も紹介しつつ、学内外で一定の認知度が高まっていることや同志社の校友など豊富な知的・人的資源との連携が図れていることを成果として挙げられた。その一方で、新島塾修了生の割合が低いことや学内進学者の入塾希望者が少ないといった新島塾の現状、担当者の負担軽減や新島塾の事業に対する評価など持続的な発展に向けた体制が課題として挙げられた。
最後に、参加者に今後の新島塾の活動への理解と支援への依頼がなされ、基調講演を終えた。
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